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【専門家監修】寝ている間に視力が回復?オルソケラトロジーの効果・費用・安全性を徹底解説|日中の裸眼生活を手に入れよう

「朝起きたら、メガネやコンタクトなしで世界がクリアに見えたら…」
「日中は裸眼で過ごしたいけど、手術は怖い」
「子どもの近視がこれ以上進まないか心配…」

近視や乱視で悩む多くの方が、一度はそう願ったことがあるのではないでしょうか。日中のコンタクトレンズの乾燥感やゴロゴロ感、スポーツをする時の不便さ、メガネの曇りや煩わしさ。そんな日常の小さなストレスから解放されたい、でも視力回復手術(レーシック)は少し怖い…と感じている方も少なくないはずです。

もし、「夜寝ている間に専用のコンタクトレンズを着けるだけで、日中は裸眼で快適に過ごせる」という選択肢があるとしたら、あなたの生活はどう変わるでしょうか?

この記事では、そんな夢のような視力矯正法「オルソケラトロジー」について、その仕組みからメリット・デメリット、気になる費用まで、あらゆる角度から徹底的に解説します。

特に、近年注目されているお子様の近視進行抑制効果についても詳しく触れていきます。この記事を読み終える頃には、オルソケラトロジーがあなたにとって、そしてあなたのお子様にとって、非常に魅力的な選択肢であることがお分かりいただけるはずです。さあ、裸眼で過ごす快適な毎日への第一歩を、ここから踏み出してみましょう。

目次

そもそもオルソケラトロジーとは?寝ながら視力を矯正する次世代の治療法

まずは、「オルソケラトロジー」が一体どのようなものなのか、その基本的な仕組みから見ていきましょう。

オルソケラトロジーの基本的な仕組み

オルソケラトロジー(Ortho-keratology)とは、夜間の睡眠中に特殊なデザインが施されたハードコンタクトレンズ(オルソケラトロジーレンズ)を装用することで、角膜の形状を一時的に変化させ、近視や乱視を矯正する治療法です。

<仕組みの簡単解説>

  1. 就寝前にレンズを装着:あなたの目の形状に合わせてオーダーメイドされた、高酸素透過性のハードコンタクトレンズを装着して眠ります。
  2. 睡眠中に角膜を矯正:レンズの内側が、平らになるように角膜中央部を優しく押さえつけます。これにより、角膜のカーブが緩やかになります。(痛みはありません)
  3. 起床後にレンズを外す:朝起きたらレンズを外します。
  4. 日中は裸眼で生活:角膜は矯正された形状を一定時間維持するため、日中はメガネやコンタクトレンズなしで、クリアな視界で過ごすことができます。

この効果は一時的なもので、レンズの装用をやめると角膜の形状は数週間かけて元の状態に戻ります。そのため、効果を持続させるには毎晩レンズを装用する必要があります。手術のように角膜を削るわけではないため、「可逆性(元に戻せる)」であることが大きな特徴です。

誰がオルソケラトロジーの対象になる?

オルソケラトロジーは、主に以下のような方が対象となります。

  • 軽度から中等度の近視の方:一般的に-1.0D〜-4.0D程度の近視が最も良い適応とされています。クリニックによっては-6.0D程度まで対応可能な場合もあります。
  • 一部の乱視の方:軽度の乱視であれば、近視と同時に矯正できる場合があります。
  • 子供から大人まで幅広い年齢層:特に、近年では学童期の子供たちの近視進行を抑制する効果が世界的に注目されており、積極的に子供へ処方されるケースが増えています。年齢の上限は特にありませんが、目の健康状態によります。

一方で、強度の近視や乱視、円錐角膜などの目の病気がある方、重度のアレルギーやドライアイがある方は適応外となる場合があります。まずは専門の眼科で「適応検査」を受け、ご自身の目がオルソケラトロジーに適しているかを確認することが重要です。

レーシックとの違いは?

よく比較されるレーシック手術との最も大きな違いは、前述の通り「可逆性」です。

オルソケラトロジーレーシック手術
治療法特殊なコンタクトレンズを夜間装用レーザーで角膜を削る
可逆性あり(中止すれば元に戻る)なし(元に戻せない)
対象年齢子供から可能原則として成人(18歳以上)
近視抑制効果が期待できる効果はない
日中の装用不要不要
費用定期的な費用(検診・ケア用品)初期費用のみ(高額)

レーシックは一度受けたら元に戻せないという心理的なハードルがありますが、オルソケラトロジーは「もし合わなければいつでもやめられる」という安心感があります。この手軽さと安全性が、オルソケラトロジーが選ばれる大きな理由の一つです。

人生が変わる!オルソケラトロジーの5つの絶大なメリット

オルソケラトロジーを始めることで、あなたの生活はどのように変わるのでしょうか。ここでは、多くの経験者が実感している大きなメリットを5つご紹介します。

メリット1:日中、裸眼で過ごせる圧倒的な解放感

これはオルソケラトロジー最大のメリットと言えるでしょう。

  • スポーツを思い切り楽しめる:サッカー、バスケットボール、水泳、格闘技など、接触や動きの激しいスポーツでもコンタクトレンズが外れる心配や、メガネが壊れる心配がありません。
  • お風呂や温泉、プールも快適:コンタクトレンズの紛失や感染症のリスクを気にせず、クリアな視界で楽しめます。
  • 災害時も安心:地震や火災などの緊急時に、慌ててメガネを探したり、コンタクトレンズを装着したりする必要がありません。裸眼で見えるという安心感は、万が一の際の安全確保に繋がります。
  • アイメイクが自由に楽しめる:コンタクトレンズのゴロゴロ感や、レンズへの化粧品付着を気にせず、アイメイクを存分に楽しめます。
  • 日常生活の小さなストレスからの解放:ラーメンの湯気でメガネが曇る、マスクでメガネが曇る、うっかりメガネをかけたまま寝てしまうといった、日常の些細なストレスがなくなります。

日中を裸眼で過ごせることは、単に「見える」ということ以上の、計り知れない快適さと自由をもたらしてくれます。

メリット2:手術不要で安心!元に戻せる「可逆的な」視力矯正

「視力は良くしたいけれど、目にメスを入れるのは怖い…」レーシックに対して、このような不安を抱く方は少なくありません。オルソケラトロジーは、外科的な手術を一切行いません。あくまでも特殊なコンタクトレンズで角膜の形状を整えるだけです。

もし治療を中止すれば、角膜は自然に元の形に戻り、視力も元通りになります。将来、白内障手術など他の目の治療が必要になった場合でも、治療の選択肢を狭めることがありません。この「いつでもやめられる」という安心感は、治療に踏み出す上で非常に大きなメリットです。

メリット3:【子供にこそ最大の恩恵】近視の進行を抑制する効果

近年、オルソケラトロジーが最も注目されている理由が、この「近視進行抑制効果」です。

スマートフォンやタブレットの普及により、子供の近視は世界的な問題となっています。単に視力が悪いだけでなく、将来的に強度近視になると、緑内障や網膜剥離、近視性黄斑症といった失明に繋がる重篤な目の病気のリスクが高まることが分かっています。

複数の国際的な研究により、オルソケラトロジーを装用することで、眼軸長(目の奥行きの長さ)の伸びを約40〜60%抑制し、近視の進行を遅らせる効果があることが報告されています。これは、オルソケラトロジーレンズが角膜中心だけでなく、周辺部の光の屈折もコントロールし、近視を進行させる刺激を抑制するためと考えられています。

大切なお子様の目を将来の病気のリスクから守るため、治療的な観点からもオルソケラトロジーは非常に有効な選択肢なのです。

メリット4:日中のコンタクトレンズの不快感からの解放

日中にソフトコンタクトレンズを装用している方の多くが、以下のような悩みを抱えています。

  • 夕方になると目が乾いてショボショボする(ドライアイ)
  • 目が充血しやすい
  • ホコリやゴミが入ると激痛が走る
  • アレルギーで目がかゆい時には装用できない

オルソケラトロジーは、活動している日中にレンズを着ける必要がありません。そのため、これらのコンタクトレンズ特有の不快感から完全に解放されます。特にドライアイに悩んでいる方にとっては、これ以上ない解決策となるでしょう。

メリット5:長期的な視点で見ると経済的な選択肢にも

初期費用だけを見ると高額に感じるかもしれませんが、長期的な視点で考えると、一概にそうとは言えません。

例えば、高性能な使い捨てコンタクトレンズ(乱視用や遠近両用など)を長年使用し続ける場合や、数年ごとに度数が変わってメガネを買い替える場合と比較してみましょう。オルソケラトロジーのレンズは、破損や紛失がなければ数年間(一般的に2〜3年)は同じものを使い続けることができます。定額制プランであれば、レンズの保証が含まれていることも多く、トータルのコストを抑えられる可能性があります。

始める前に知っておくべきオルソケラトロジーのデメリットと対策

多くのメリットがある一方で、もちろんデメリットや注意点も存在します。事前にこれらを理解し、対策を考えることで、安心して治療を始めることができます。

デメリット1:毎晩のレンズ装着とケアの手間

オルソケラトロジーは、毎晩寝る前にレンズを装着し、朝起きたら外して洗浄・保存するという日々のケアが必須です。

  • 対策:最初のうちは装着に手間取るかもしれませんが、ほとんどの方が1〜2週間で慣れます。ケア方法も、通常のハードコンタクトレンズとほぼ同じです。クリニックで丁寧な指導を受け、正しい手順を習慣化することが大切です。面倒に感じるかもしれませんが、これも「日中の快適な裸眼生活のため」と考えれば、乗り越えられるでしょう。

デメリット2:定期的な眼科検診が必須

安全に治療を続けるためには、眼科医による定期的な検診が欠かせません。通常、治療開始直後は1週間後、1ヶ月後、その後は3ヶ月に1回程度の通院が必要です。

  • 対策:これはデメリットというよりも、むしろ「目の健康を守るための安全装置」と捉えるべきです。定期検診を受けることで、角膜の状態や視力の変化を専門医にチェックしてもらい、トラブルを未然に防ぐことができます。面倒がらず、必ず指定されたスケジュールで受診しましょう。

デメリット3:感染症のリスクはゼロではない

コンタクトレンズである以上、不適切なケアによる感染症のリスクはゼロではありません。特に、アカントアメーバ角膜炎などの重篤な感染症は、失明に至る可能性もあります。

  • 対策:感染症のほとんどは、レンズの不適切な取り扱いが原因です。「レンズを触る前には必ず石鹸で手を洗う」「水道水でレンズをすすがない」「ケア用品の使用期限を守る」「レンズケースを定期的に交換し、清潔に保つ」といった基本的なルールを徹底することで、リスクは大幅に低減できます。これは、日中に使うコンタクトレンズでも全く同じです。

デメリット4:初期の「見え方」の不安定さとハロー・グレア

治療開始直後は、まだ角膜の形状が安定しないため、日中の見え方がクリアでなかったり、夕方になると視力が落ちてきたりすることがあります。また、夜間に光を見ると、街灯や車のライトがにじんで見える「ハロー・グレア」という現象を感じることがあります。

  • 対策:視力が安定するまでの期間は、通常1〜2週間程度です。この期間は、必要に応じて度の弱いメガネや使い捨てコンタクトレンズを併用することもあります。ハロー・グレアは多くの場合、時間が経つにつれて慣れたり、軽減したりしますが、個人差があります。夜間の運転が多い方などは、トライアル期間中にどの程度気になるかを確認することが重要です。

デメリット5:誰でもできるわけではない(適応条件)

前述の通り、強度近視や乱視、目の病気などによっては、オルソケラトロジーの適応とならない場合があります。

  • 対策:こればかりは、自分で判断することはできません。まずは勇気を出して、専門のクリニックで「適応検査」を受けてみましょう。もし適応外と診断されても、それはあなたの目の安全を第一に考えた上での専門的な判断です。他の視力矯正方法について、改めて相談する良い機会と捉えましょう。

気になる費用は?安心の「定額制プラン」を徹底解説

オルソケラトロジーの費用体系はクリニックによって様々ですが、近年主流となっているのが、月々の支払いで必要なサービスがパッケージ化された「定額制プラン」です。ここでは、一般的な定額制プランについて解説します。

※オルソケラトロジーは自由診療のため、健康保険は適用されません。ただし、医療費控除の対象となります。

一般的な定額制プランに含まれるもの

多くのクリニックでは、以下のような内容が月額費用に含まれています。

  • 定期検診代:3ヶ月に1回程度の定期的な診察・検査費用。
  • ケア用品代:レンズの洗浄・保存に必要なケア用品一式が定期的に配送されることが多いです。
  • レンズの保証・交換
    • 破損保証:レンズが割れたり、欠けたりした場合の交換。
    • 紛失保証:レンズをなくしてしまった場合の交換。
    • 度数変更保証:視力の変化により、レンズの度数変更が必要になった場合の交換。
    • 定期交換:レンズの寿命(通常2〜3年)に応じた定期的な新品レンズへの交換。

このプランにより、追加費用の心配をすることなく、安心して治療を続けることができます。

費用の相場

費用はクリニックやプラン内容によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

  • 初期費用(初年度にかかる費用)
    • 適応検査:5,000円〜10,000円程度(この検査で適応かどうかを判断します)
    • トライアル費用:30,000円〜50,000円程度(1〜2週間のお試し期間の費用。本契約に至った場合、初期費用に充当されることが多いです)
    • 初期費用合計両眼で15万円〜25万円程度が一般的です。これには初年度のレンズ代、検診費用などが含まれます。
  • 月額費用(2年目以降など)
    • 両眼で月々5,000円〜15,000円程度が相場です。この中に、上記で説明した検診代、ケア用品代、各種保証が含まれます。

高額に感じるかもしれませんが、例えば月々8,000円のプランであれば、1日あたり約260円です。缶コーヒー1本分強の値段で、日中の裸眼生活と将来の目の健康への投資ができると考えれば、その価値は十分にあるのではないでしょうか。

【診断】オルソケラトロジーは、実はこんなあなたにおすすめです!

ここまで読んで、あなたはオルソケラトロジーがどのようなものか、深くご理解いただけたかと思います。最後に、具体的にどのような方にオルソケラトロジーがおすすめなのかをまとめてみましょう。一つでも当てはまるなら、ぜひ前向きに検討する価値があります。

  • スポーツやアウトドア活動を思い切り楽しみたい方
  • お子様の近視の進行を本気で食い止めたいと考えている親御さん
  • 日中のコンタクトレンズの乾燥感やゴロゴロ感に悩んでいる方
  • レーシックなどの外科手術には抵抗があるが、視力は良くしたい方
  • パイロット、警察官、消防士など、裸眼視力が求められる職業を目指している方(※各機関の規定を事前にご確認ください)
  • メガネやコンタクトの管理から解放され、生活の質(QOL)を向上させたい方

後悔しないために。信頼できる眼科選びの4つのポイント

オルソケラトロジーは、医療行為です。安全かつ効果的に治療を進めるためには、信頼できるクリニック選びが最も重要になります。以下のポイントを参考に、慎重に選びましょう。

  1. 実績と経験:日本眼科学会認定の眼科専門医が在籍し、オルソケラトロジーの症例数が豊富か。
  2. 検査設備:角膜形状を精密に測定するための「角膜形状解析装置(トポグラファー)」など、必要な検査機器が充実しているか。
  3. 丁寧な説明と費用体系:メリットだけでなく、デメリットやリスクについてもきちんと説明してくれるか。費用体系が明確で、分かりやすいか。
  4. アフターフォロー体制:定期検診の体制はもちろん、万が一のトラブルの際に、時間外でも相談できる窓口など、サポート体制が整っているか。

いくつかのクリニックでカウンセリングや適応検査を受け、比較検討することをおすすめします。

さあ、裸眼生活への第一歩を。不安より期待が上回る未来へ

オルソケラトロジーは、単なる視力矯正法ではありません。それは、あなたのライフスタイルをよりアクティブで快適なものに変え、特に子供たちにとっては、将来の目の健康を守るための「未来への投資」とも言える治療法です。

毎日のレンズケアや定期検診といった手間はありますが、それ以上に「日中を裸眼で過ごせる解放感」という、何物にも代えがたい大きなリターンがあります。

「本当に効果があるのかな?」「自分にもできるかな?」そんな不安を感じるかもしれません。しかし、その一歩を踏み出さなければ、何も変わりません。この記事を読んで少しでも心が動いたのなら、まずは専門のクリニックに相談し、「適応検査」を受けてみてはいかがでしょうか。

そこから、あなたの新しい世界が始まるかもしれません。メガネやコンタクトレンズの煩わしさから解放された、クリアな視界で過ごす毎日が、あなたを待っています。

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この記事を書いた人

松山真弘 医師のアバター 松山真弘 医師 日本眼科学会 眼科専門医

帝京大学医学部卒業後、関西医科大学附属病院や地域の基幹病院で、多数の眼科手術を執刀。2023年に大阪市鶴見区で「大阪鶴見まつやま眼科」を継承開業。

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